中国で超人気のSF小説「三体」の第二巻、「暗黒森林(The Dark Forest)」の洋書版を読んだので感想

こんにちは、TOEIC925点の理系早大生スケです。

最近超面白い小説を見つけまして、「三体」っていう本です。中国生まれのSF小説で、アジア人作家では初のヒューゴー賞を受賞したり、中国ではシリーズ累計2100万部を突破したり、オバマ元大統領、マックザッカーバーグも絶賛したりと、とにかく半端ない小説。

で、この「三体」シリーズは全部で三部作なんですけど、その第一部の邦訳版が先日出版されたんですね。

↓感想を僕が運営している別のブログに書きました。

【スケールデカすぎ】中国で空前絶後の大ヒットSF小説、「三体」がすごすぎワロタ

あまりに話題沸騰だったので僕も読んでみたらドハマリ。めちゃくちゃ面白いやんけ!となって、じゃあ続きを読もうか、と、第二巻を探したら、「第二巻は2020年出版予定です」とのこと。

思わず目の前が真っ暗になりそうだったところで、光明が差してきました。「三体」シリーズは全部で三部なんですけど、英語版ではすでに翻訳がすべてされているそう。

そうだ、余はこの瞬間のために洋書多読をしてきたのだ

ということで、「邦訳がないなら英訳を読めばいいじゃない」とマリー・アントワネットばりの発想のもと、第二部、第三部を英訳版で読んでみることに。

第一巻はすでに日本語で読んでいたので、「英語で読んだら結構難しいんじゃないか」と不安でした。専門的な科学用語とか、人の名前とか、ちゃんと理解できるのだろうか、と。

ところがどっこい。英語で読んでみると、思いの外わかりやすく、楽しんで読めました。

英語版だと、第二部が500ページ、第三部が600ページぐらいあるんですけど、お盆休みでひたすら読んでたら、一週間ぐらいで読了。

これは感想を書くのに値する本だ、ということで、今こうしてブログにしたためています。

本記事は、「三体シリーズ」の第二部、”The Dark Forest”(日本語訳だと「暗黒森林」になります)の感想を書いています。致命的なネタバレとかはないので安心してください。

今のとこ、2019年に読んだ洋書ランキングぶっちぎりの一位です

あらすじ

第一巻のあらすじはこんな感じ

物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート女性科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。

そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。

数十年後。ナノテク素材の研究者・汪淼(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。

その陰に見え隠れする学術団体〈科学フロンティア〉への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象〈ゴースト・カウントダウン〉が襲う。そして汪淼が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは?

で、要は三体星人が400年後に地球に攻めてくると。しかも科学力が半端なくて、地球なんて一瞬でやられてしまいそうなぐらい差があると。

じゃあ一体全体、どうすればいいんだぁあああーーってところで第一巻が終了。

そこから第二巻がスタート。

世界の命運は4人の面壁者に託されたーーー

なんと、地球に攻めてくる三体星人は、地球上のありとあらゆる事象を観察できるらしく、機密の会話から、科学技術の進歩まで、全てが見通されている状態。そんなん無理やんって話なんだけど、ただ一つ、彼らに見通せないものがあって、それが人間の思考。

だからこそ地球では、4人の代表者を立てて(これが面壁者、英語だとWallFacer)、彼らに作戦を展開してもらおうと。彼らだけが、自分の作戦を知っている。

この面壁者の一人が、第二部、第三部での中心人物となる“Luo Ji”(英語で読んだので漢字がわからんす)

だが彼には、他の三人と面壁者とくらべて優れた能力や業績があるわけでもなく、彼自身も面壁者となることを拒んでいたし、一般の反応も似たようなものだった。

彼はなぜ面壁者に選ばれたのか。

しかし、地球に侵略してくる三体星人は、どうやら彼のことを最大の脅威だと考えている様子。

一体”Luo Ji”は何を考え、何を成し遂げるのか。乞うご期待!

感想・考察

世界の命運は4人の面壁者に託されたーーー

ってこの時点で優勝。

で、三体星人側も、四人の面壁者に対抗するために、4人の「破壁者」(英語だとWallBreaker)というのを選出する。

で、”Luo Ji”ですよ。彼はいうなればジョーカーなんですよね。

ネタバレなしとなると、正直もう書くことがないです。。。笑

単純に「三体」の続きが気になる!という人は、”The Dark Forest”とググれば、英語版のwikipediaにあらすじが載っているのでそれを読めばOKです。

↓第二巻の内容がだいたいまとめられてます

https://en.wikipedia.org/wiki/The_Dark_Forest

洋書のレベル

僕の英語力は、TOEIC925点(大学一年の12月)、TOEFL iBT93点(大学二年の6月)って感じなんですが、割とスムーズに読めました。

僕が理系ということもあって、SFは得意というのもあります。

とはいっても、わからない単語も普通に出てきて、平均して2~3ページに1個ぐらいは知らない単語あったかなぁと。それでも500ページもあるので積み重なります。

多読界隈の指標であるYL(読みやすさレベル)でいうと、YL7.5 ~ 8.0ぐらいかなぁって感じですね。ハリー・ポッターとあまり変わらないぐらいかな?

ボキャブラリーでいうと、7000-10000語ぐらいでしょうか。

というより、こういうSFもので大切なのは、基本的な科学知識を備えているかだと思いますね。相対性理論とか、ブラックホールとか、そういうやつ。原理を理解している必要はないんですけど、どういうものなのかを知っておくことが大事。これだけで読みやすさが全然違います

背景知識の大切さですね。これを結構理解してない人が多い。

語学と知識って一体不可分で、どちらも必要なんですよ。仮に英語ネイティブの12歳の子供が「三体」の洋書を読もうとしても、多分ほとんど理解できないんですよね。

なんでかって、基本的な科学知識がまだ不十分だから。「三体」には色々な過去の歴史人物の名前とか、歴史上の出来事が出てきますけど、それらも結局、もともとの知識がないと、読んでもいまいちピンとこないやつばかりなんですよね。

だって小学生の頃に、アインシュタインとか量子力学とか、文化大革命とか知ってました?って話。僕はもちろん知らなかったですw

で、多読の何がいいって、語学と知識の両方を同時に伸ばすことができることですよ。これが最強すぎコスパ良すぎてもうたまらない。

これに対して、例えば、TOEICとかを考えてみます。僕はTOEICを何回か受けたことありますし、問題集やら単語帳やらを買って、ちょろっと対策をしていたこともあります。2ヶ月ぐらい。

だけど、あまりに問題集がつまらなすぎて、早々にTOEICの対策に挫折してしまいました。こんなの勉強しても俺の人生は豊かにならないぞ、と。

そのときたまたま出会ったのが多読。TOEICの勉強に辟易としていたこともあり、洋書を読むという行為がものすごく新鮮かつ楽しく感じました。

そこから多読に猛烈にハマり、洋画やら海外ドラマやらにも手を伸ばし、オーディオブックを開拓して、ハリー・ポッターシリーズを全部聴くなんてこともしているうちに、気づいたら、気づいたらTOEICでも925点をゲットできたりしちゃったんですよね。

この頃には、もう英語を勉強しているなんて意識は完全にゼロで、楽しいからやりまくっている、っていう最高の状態でした。

今回も、多読を始める前の自分だったら、「三体」の第一巻を読んだ後、続きがまだ邦訳されてないことに絶望し、やるせない気持ちになっていたはずです。

ですが、多読を生業にした今では、英語の本だって思い切り楽しんで読めます。

多読をやっていて本当に良かったと、今回”The Dark Forest”を読んでいる時思いましたね。

というわけで以上!

↓第三巻の感想を書きました

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